年に1度のひろたブログ?
2025年12月14日 13:51
高校進学後に伸びる人と、そうでない人の差
これはずばり、質問力の差です。
中学の内容と高校の内容、特に偏差値60以上で大学受験を目指すような高校の内容では、中学と比べて10倍以上の難易度差があるとよく言われます。
中学の頃にそれなりの勉強時間を確保し、無事に高校進学を果たした生徒には、実は2種類のパターンがあります。
① わからないとすぐ質問に行くタイプ
わからない箇所が出てきたときに、学校の先生や塾の先生、友達などに
「この問題が分からないので教えてほしい」
と、そのまま質問に行く人です。
② 自分で整理してから質問するタイプ
質問に行く前に、
分からない問題の
どこまで理解できていて
どこから理解できていないのか
を自分で考え、教科書を読み直し、まずは自力で理解しようとする人です。
前者は質問の回数が多いため、一見すると勉強熱心で頑張り屋の優等生に見えます。
一方、後者の生徒は、ほとんどの場合で自力で
「自分が分からない箇所」
を特定できます。そのため、教科書を読み直して理解できることも多く、人を頼ることがあまりありません。
仮に教科書を読んでも理解できなかったとしても、
「どこまで理解していて、どこでつまずいているのか」
を自分で把握しているため、質問された側もピンポイントで必要な部分だけを教えれば済むのです。
残念ながら、前者タイプの生徒は高校進学後、ほぼ間違いなく落ちこぼれてしまいます。
中学までは、わからない問題が出てくるたびに周りの人が教えてくれていたのでしょう。しかし高校に入ると、そうはいきません。
高校は義務教育ではありません。先生も「教育のプロ」である前に普通の会社員です。中学の先生ほど親身になって教えてくれる人は、ぐんと減ります。
埼玉県ではなぜか、高校に入ると塾をやめて自力で勉強する人が多いですが、これも高校で落ちこぼれる人が増える原因の一つです。
中学より10倍も難しくなるのに、
簡単だった中学の頃は塾を頼り、
難しくなってから自力でやろうとする。
冷静に考えると、とても不思議な話です。
話を元に戻します。
前者タイプの人は、塾に通っていても徐々に落ちこぼれていきます。
なぜだと思いますか?
理由は単純です。
高校の内容が、中学の内容の10倍以上難しいからです。
中学の頃は、質問を持って行けば1から10まで解説してもらえたかもしれません。
しかしそれは、問題が簡単だったからできたことです。
高校の内容はそうはいきません。
中学の内容を発展させて学習するため、そもそも中学内容でつまずいている可能性があります。
(私の体感では99%がこれです)
前者タイプの人が質問を持ってきた場合、まず行うのは
「どこまで理解していて、どこでつまずいているのか」
を確認する作業です。
そして、ほとんどの場合、中学内容の理解が不十分なために高校内容でつまずいていることが分かります。
そうなると、
中学内容の確認
その後に高校内容の解説
という流れになります。
想像してみてください。
1問を解説するのに、
対面でも30~40分、長ければ1時間以上かかるのです。
そんな質問に、週10回、20回と対応できるでしょうか。
まず無理ですよね。
個別指導塾に通ったとしても、前者タイプの人は、
60分の授業を月12回(週3回)受講しても、落ちこぼれていくと思います。
中学の頃に週1回質問していた生徒は、高校に入ると週10回は質問したい内容が出てきます。
月40個の質問をすべて解説してもらうには、
20~40時間の個別指導が必要です。
費用にすると、10万~20万円。
これを払えない前者タイプの生徒が、次々と落ちこぼれていくのです。
私の経験上、偏差値60~65程度の高校では、
前者:後者 = 7:3
偏差値65を超えると、
5:5
偏差値70を超えると、
1:9
ほどになります。
だからこそ、中学までに
「質問力をつけるトレーニング」
が必要なのです。
塾側は、生徒の質問に親切に答えすぎてはいけません。
中学3年までしか指導しない塾では、これを平気でやります。
しかも良いことだと思っているのですから、たちが悪い。
さらに悪いことに、保護者から
「面倒見が良い塾だ」
というプラス評価まで得てしまいます。
こうして評判の良い塾の卒業生が高校に進学し、落ちこぼれ、
駆け込みで大学受験用の塾に来る。
しかし前述の通り、前者タイプの人は、どう頑張っても成績は上向きません。
月に40時間の個別指導を受けても、全然足りないのです。
ロジスト進学塾では、前者タイプの生徒ができるだけ少なくなるよう指導しています。
高校受験までに質問力が完成しなくても構いません。
2年、3年と正しく頭を使って勉強していれば、必ず後者タイプの人間になれます。
あきらめずに継続することが大切です。
生徒はもちろん、保護者の皆様もどうか、誤った選択をなさらぬよう。
2025.12.14
廣田